【この記事を読んで分かること】
- 筋トレにおける分割法とは何か
- 分割法のメリット
- 何分割でトレーニングをするべきか
目次
筋トレの分割法とは?
分割法と聞いて、皆さんはどのようにイメージするでしょうか?
(「法」といっても法律ではありませんよ。)
おそらく、「分割法で筋トレをする」と聞けば、なんとなく何かを分けてトレーニングするんだなーということは分かると思います。
実際そのとおりで、身体を、胸や背中、肩、腕、脚などの部位に分けて、一回目のトレーニングで一部の部位だけを鍛えて、また次のトレーニングで残りの部位の一部を鍛える、という流れで、複数回に分けて全身のトレーニングを行っていくことを、筋トレにおいては「分割法」と言います。
簡単に言うと、分割法は、身体の部位別に、複数回のトレーニングで全身を鍛える方法です。
一回で全身を鍛えるのはだめ?
身体を鍛えるとき、腕を太くしたい、かっこいい胸板が欲しい、など、その理由は様々だと思います。
そのとき、まさか腕だけを鍛えたり、胸だけを鍛えたり、という人はなかなかいないと思います。
そうなると、ある程度全身を鍛えつつ、目的の部位を少し多めに鍛えて、という感じでトレーニングしていくことになると思います。
では、一回のトレーニングで全身を鍛えようと思ったらどうなるでしょう?
おそらく、トレーニング時間が長くなり、中盤から後半にかけて、疲労で十分なパフォーマンスを発揮できないまま、ただ疲れるだけのトレーニングをすることになるでしょう。
もちろん、こういったトレーニングで身体を鍛えている人もいますが、トレーニング中の十分な栄養補給やトレーニングの順番選びなど、考え込んでいる、プロのような人でなければ、一回で全身をしっかり鍛えるのは難しいかもしれません。
分割法のメリット
そんな問題を解決するのが分割法を用いたトレーニングです。
各部位を分割してトレーニングすることで、次に同じ部位を鍛えるまでに十分な間隔を取ることができます。
そもそも筋肉はトレーニングで破壊され、超回復が起こる際に成長します。
一般的に、トレーニング後2~3日は休息が必要とされています。
その間にトレーニングをしてしまうと、筋肉が十分に回復する前に再び破壊されてしまいます。
そうすると、筋肉が成長しないだけでなく、疲労が溜まり、本来のパフォーマンスを発揮することもできません。
それに対して、先ほど述べたように、分割法はトレーニングの間隔を十分に確保できるため、そういった心配がなく、常に最高のパフォーマンスでトレーニングをすることができます!
おすすめの分割法
2分割のトレーニング
分割してトレーニングをするのが初めての人や、あまりトレーニングに慣れていない人におすすめしたいのがこの2分割で分ける方法です。
2分割であれば、シンプルにトレーニングができ、各部位の筋トレを良い頻度で行うことができます。
例)トレーニングをAとBに分けたとき、
月曜日A→水曜日B→金曜日A→月曜日B
という順番で交互にトレーニングをしていけば、3日間の休息を挟んでから再度トレーニングをすることができます。
プレス系とプル系
2分割でまずおすすめしたいのが、「プレス系(押す動作)のトレーニング」と「プル系(引く動作のトレーニング)」に分けて鍛える方法です。
「プレス系」に関係する部位は、胸・肩・上腕三頭筋で、「プル系」では背中・脚・上腕二頭筋」です。
上半身と下半身
次にイメージしやすく取り組みやすいものとして、上半身と下半身を分けて鍛える方法です。
ただ、見たまんま上半身は胸・背中・肩・腕で、下半身は脚、と分けてしまうと、上半身の日の各部位にかける時間が少なくなってしまいます。
そのため、たとえばデッドリフトなんかで脚を鍛えるときに一緒に使われることの多い背中を下半身の日に行うことで、より効率よく集中して鍛えることができます。
3分割のトレーニング
筋トレにある程度慣れている人や2分割が物足りなくなった人におすすめなのが3分割に分けるトレーニング方法です。
2分割に比べて、それぞれの部位で行う種目数を増やすことができるので、目的の部位をより効率的に追い込みやすくなります。
上半身の前部の筋肉・後部の筋肉・下半身
身体を大きな筋肉を持つ部位を優先して3つに分けると、胸・背中・脚となります。
・前部の筋肉…胸と肩の前部、上腕二頭筋、腹筋など
・後部の筋肉…背中と肩の中部・後部、上腕三頭筋など
・下半身…脚
というように分割します。
ここで疑問に思う方もいると思います。
胸のトレーニングでは、上腕三頭筋が使われるし、背中のトレーニングでは、上腕二頭筋が使われるから、それぞれ腕のトレーニングが逆なのではないか、と。
たしかに、2分割のときにプレス系ということで一緒に分割したように、上腕三頭筋は胸トレーニングで補助的に鍛えられます。
胸に効かせることが得意でない人ならなおさら上腕三頭筋ばかりを使ってしまい、そっちが先に疲れてしまう、何てこともあると思います。
しかし、ここでは敢えて胸と上腕二頭筋、背中と上腕三頭筋というセットで行う分割法を紹介しています。
なぜかというと、胸と背中をしっかり鍛えたいからです。
例えば、後部の筋肉のトレーニングをした2日後に前部の筋肉のトレーニングをするとします。
2日後ではまだ後部の筋肉は完全に回復しきっていないか、少し疲労が残っている状態です。
その状態で胸のトレーニングをするとして、上腕三頭筋が疲労しており、あまり重量を持ち上げられないかもしれません。
だが、それが目的なのです。
胸のトレーニングでは、なかなか胸の力を使って上げる・押すというのを意識して行うことが難しいです。
自然と上腕三頭筋を使ってしまうからです。
では、それが少し疲れていて十分なパフォーマンスを発揮できないとしたらどうでしょう?
胸の力を使うことをちゃんと意識できていないといつも使っていた重量を上げることはできなくなると思います。
その状態で正しいフォームと大胸筋を意識してトレーニングを行えば、普段の胸のトレーニングよりもバチっと効いてきます。
ですので、そういった狙いがあって敢えて胸と上腕二頭筋、背中と上腕三頭筋をセットでトレーニングする分割法を提案しています。
ここで注意しておきますが、この分割法は3分割にしたときにそれぞれのトレーニングの間隔が空きやすい人におすすめします。逆に、週5、6回トレーニングをするという人だと、腕の疲労がそれぞれのトレーニングに悪影響を与えすぎてしまうかもしれませんのであまりおすすめできません。
週のトレーニング頻度が多い人には次の分割法をおすすめします。
4分割のトレーニング
正直初心者の方やあまりトレーニングの時間が週3回しか取れないという方には向いていない分割法ですが、より細かい種目で各部位を鍛えていきたい中級者以上の方におすすめしたいと思います。
その分け方としては、
・胸と上腕二頭筋
・背中
・肩と上腕三頭筋
・脚
で、腹筋は背中か脚の日に入れるか、自宅で鍛えられるという人はいつでも良いので、他の部位同様にトレーニングの間隔を空けることは忘れずにトレーニングしてください。
また、4分割のトレーニングで大事になってくるのが、それぞれを行う順番です。
例えば、
胸・上腕二頭筋→脚→肩・上腕三頭筋→背中
のような順番です。
この順番には大きく2つ理由があります。
1つ目は、補助筋である上腕二頭筋と上腕三頭筋がそれぞれ疲労のない状態で、胸と背中のトレーニングができるようにするためです。
先ほど3分割のときには敢えて疲労を残したままトレーニングする形となりましたが、4分割にし、かつ上記の例の順番で行うことで、上腕二頭筋と上腕三頭筋に、完全に疲労を残すことなく、胸と背中のトレーニングを迎えることができます。
2つ目は、胸のトレーニングで肩の筋肉が補助的に使われてしまうため、胸と肩のトレーニングの間隔を空けるためです。
まとめ
4分割のトレーニングまで紹介しましたが、私はまだこの4分割法でトレーニングできていません。
とても理想的な分割法なのですが、週5回のペースでトレーニングをすることになるため、なかなか時間が取れず、無理してやることもできると思いますが、そのせいでそれぞれのトレーニングの質が下がっては元も子もありませんので。
補助筋を使いすぎることなく、疲労感を溜めずに、もっと上手く狙った筋肉を刺激できるようになればこの4分割にも挑戦できるかなと思っています。
皆さんも無理せずに、効率的なトレーニングを心がけましょう。