【この記事を読んで分かること】
- なぜ背中を鍛えるのか
- 背中を鍛えるおすすめの種目
- 背中のトレーニングで意識すること
目次
背中を鍛えるメリット
自分の背中って鏡とかでも見えづらいですよね?
正直じっくり見たことない、という方は誰かに後ろから写真を撮ってもらって、見てみて下さい。
意外と、後ろから見ると猫背だなとか、太って見えるなとか、細くて弱そうだなーとか、色々な感想があると思います。
普段、自分から見えていなくても、他の人からはずっとそんな風に見られているんです。
そんな身体を変えるために、背中を鍛えるのです。
もちろん、誰にどう思われようが関係ない、という方もいらっしゃると思います。
しかし、背中を鍛えるということは、ひとえにカッコいい背中を作るためだけではなく、姿勢の強制や肩こりの改善、延いては疲れにくい身体を作るためにもなるのです。
疲れにくい身体作りという点は、背中のトレーニングに限らず、筋トレという行為全般に言えますが、特に胸や背中のような大きい筋肉を鍛えることは、効率よく疲れにくい身体を作るために最適なのです。
背中を鍛えるおすすめの種目
私が背中のトレーニングでおすすめしたい種目はたくさんありますが、難易度や取り組みやすさなどに違いがありますので、①初心者編、②初心者~中級者編の2つに分けて紹介いたします。
その上の中級者編と上級者編については、今回は割愛し、後日別の記事で紹介いたします。
①初心者編
はじめに、ここで言う初心者とは、本当に筋トレが初めての方や、身体を上手く動かす自信がない方をイメージしております。
主に器具を使わずに行えるトレーニングを紹介いたします。
さて、初心者編としておすすめしたいのが、以下のトレーニングになります。
リバーススノーエンジェル
名前を見てもどんな動きかピンとこない方が多いと思います。
この種目は、
- うつ伏せになって上体を軽く浮かし、斜め前方に両腕を伸ばす。(顔は地面から浮かせておく。)
- 伸ばした両腕を、そのまま円を描きながらゆっくり腰の方へ移動させる。
- 元の位置へ両腕を戻す。
- 2と3を繰り返す。
というトレーニングになります。
ポイントは、肩甲骨を寄せることです。
呼吸はゆっくり繰り返し、お腹に力を入れて腰を反ることを意識します。
1セット10~15回を目安に行いましょう。
インバーテッドロウ
この種目はジムではバーを、自宅では机などを使用して行うトレーニングで、懸垂のように全身を持ち上げるのが難しい方でも誰でも簡単に行えます。
ここでは自宅でできるように、机を使用した方法を説明いたします。
- 背すじを伸ばした状態で机の縁をグリップし、斜めに仰向けになり構える。
- 肩甲骨を寄せながら身体を引き上げていく。
- 身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全に収縮させる。
- ゆっくりと筋肉に負荷をかけながら元に戻る。
ポイントは、身体を引き上げたときに、肩甲骨をしっかり寄せることです。
寄せずに行ってしまうと、背中(僧帽筋、広背筋等の背筋群)ではなく、腕(上腕二頭筋)にばかり刺激が行ってしまいます。
1セット15~20回を目安に取り組んでみて下さい。
②初心者~中級編
簡単なトレーニングをこなせるようになって、もっと難易度を上げたい、より筋肉をつけたいと考えている方向けの種目紹介となります。
さて、以下のトレーニングが、私のおすすめの中から初心者~中級者向けにさらに厳選したおすすめ種目になります。
懸垂
①初心者編で紹介したインバーテッドロウができるようになった人にぜひおすすめしたい種目がこの「懸垂」です。
懸垂というと、体操選手がバーに掴まって自分の身体を上げ下げしているところなど、見たことあると思います。
子供のころにも、運動神経の良い子なんかは校庭の鉄棒でやっていたかもしれません。
そんな懸垂ですが、実は筋トレ上級者でもトレーニングメニューに取り入れる人が多いほど立派な、背中の広がりを作るのに最適なトレーニングなのです。
では、やり方を説明いたします。
- ジムの懸垂ができる器具やバーなどをグリップします。(手幅は肩幅より少し広めに。)
- 肩甲骨を寄せて上体を反らしつつ、バーに胸をつけるイメージで身体を引き上げていきます。
- 身体を引き上げたら、広背筋の伸びを感じながら、ゆっくりと身体を下ろしていきます。(完全に腕が伸びきる少し前まで下ろす。)
- 2,3を繰り返す。
ポイントは身体を引ききった位置で、肩甲骨をしっかり寄せきることです。
ここでちゃんと寄せきれないと、広背筋などの背筋群ではなく、上腕二頭筋にばかり負荷がかかってしまい、背中のトレーニングにならないどころか、腕の疲労で回数をこなすこともできません。
この点はインバーテッドロウと同じです。
ただし、懸垂はそれ比べて一気に難易度が上がります。
身体全体をバーを掴んだ2点で支え、引き上げることになるため、丸々体重分の負荷がかかると言ったら分かると思います。
そこで、懸垂を自力で行うことが難しい内は、ネガティブチンニングを行うことをおすすめします。
ネガティブチンニング
ネガティブチンニングとは、踏み台か何かに乗った状態で、懸垂と同じく、バーをグリップしたところから、ジャンプなどにより身体をバーに向けて引き上げた位置まで持っていき、そこからゆっくり下ろしていく(ネガティブ)、という懸垂のやり方です。
高さのある踏み台などを利用して身体を引ききった状態からスタートできれば、しっかり肩甲骨を寄せた状態を作ってからネガティブの動作のみに集中して行えるので特におすすめです。
シーテッドプーリーロウ
この種目は、安定した姿勢でケーブルを身体に向かって引き付けるだけの動きで、腰の負担等を少なく行えます。
引くときの肘の向きや肩甲骨の寄せ方によって刺激を変え、僧帽筋中部を鍛えることもできますが、今回は基本的な広背筋を意識したやり方を紹介いたします。
- 上体を前に倒してケーブルのグリップを握り(親指で握らないサムレスを推奨)、足をマシーンに置いて背筋を伸ばす。(上体は地面と垂直になることをイメージし、膝は完全に伸ばしきらず少し曲げる。)
- 広背筋を意識して、ケーブルを下腹部に向けて引いていく。(なるべく腕で引かないように注意する。)
- ゆっくりと広背筋を意識しつつ元に戻す。
- 2,3を繰り返す。
ポイントは、しっかりと脇を締めて肩が上がらないように意識することと、グリップを握りすぎず、引っかけるだけのイメージで握ることです。
意識して広背筋を使うことができれば、かなり効果的な種目です。
動作になれてきた方は、引き付けたケーブルを戻していくときに、重さに耐えつつ徐々に上体を前方へ倒して、広背筋を伸ばすイメージでやってみるとストレッチもかけることができます。ただし、そのとき肩甲骨を寄せておくことと肩が上がらないようにすることを注意して下さい。
ワンハンドダンベルロウイング
この種目は、背筋群全体を鍛えられますが、特に広背筋と僧帽筋中部に高い効果があります。
では、やり方を紹介いたします。
- 片手にダンベルを持った状態で、ベンチなどにダンベルを持っていない側の片膝と片手をついて、背筋を伸ばす。(このとき腕は伸ばしておく。)
- 前を向き、背中を丸めないようにダンベルを引き上げる。(腰の位置に向かって引く。)
- 引ききったところで肩甲骨を寄せきり背中を収縮させる。
- ストレッチを感じながらゆっくりと戻していく。(脱力せずに広背筋で抵抗しつつ下ろす。)
ポイントは、ダンベルを引き上げるときに背中を丸めないこと、ダンベルを持ち上げるのではなく、腰に向かって肘を引くイメージで引き上げること、引き上げるとき、体幹をひねり背筋群の可動域を広くすること、です。
他のトレーニング同様、肩甲骨を寄せきらずに背中を丸めて行うと、負荷が上腕二頭筋に逃げてしまいます。
また、ダンベルを強く握ってしまうと腕の関与が大きくなってしまい、背中に全然効かなくなってしまいます。
ですので、肩甲骨を寄せて、かつダンベルを握りすぎず、指先で引っかけるだけということを意識して行うようにしましょう。
まとめ
以上5種類のトレーニングを紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか?
背中を鍛えるトレーニングはまだまだたくさんありますので、今後も少しずつ紹介していきたいと思います。
背中のトレーニングで共通して言えるのは肩甲骨の意識です。
今回は広背筋を鍛える種目が中心で、肩甲骨を寄せるものばかりでしたが、背筋群の中の別の部位を狙う場合、敢えて肩甲骨を開いたままにする、というものもあります。
その種目は、背筋群のどこを鍛えるために行うのか、ということをしっかり理解し、肩甲骨を意識してトレーニングを行うことが、背中を鍛えるトレーニングの上達のコツです。
また、今回紹介したトレーニングに限らず、筋トレはネガティブが重要になります。
上げ終わっても筋肉を脱力させずに、下ろすときにもその筋肉が使われていることを意識して、1セットのトレーニング中はずっと目的の筋肉から力が抜け切らないように気を付けましょう!
より負荷がかかり、効果が高いトレーニングを行うよりも、自分のレベルに合った種目を行う方がずっと効果が高くなります。
無理せずに少しずつチャレンジしてみてください!